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第3話 終わり

last update Last Updated: 2025-11-14 06:00:00

1時間ほどして、私たちはカフェから外に出た。

そこから更に1時間ほどした時、2人がラブホテルから腕を組みながらノコノコと出て来た。

当然、証拠の為、久慈さんが動画撮影を開始してくださった。

そして、私たちは2人の前に現れた。

その時の卓人の顔と言ったら……

「菜月! どうして?」

慌てて自分の腕に絡ませた美緒の腕を離させている。

でも、美緒は、あっけらかんと、

「バレちゃった」と笑っていた。

その時に、わざとだと思った。

私が卓人を美緒に紹介した半年前から美緒は、私たちを嵌めようとしていたのだとも思った。

──友達だと思っていたのに……

「どういうこと?」と卓人に聞いた。

「あ、いや誤解だよ! 話してただけだから」と言った。

往生際が悪い。もう美緒は、······と言ったのに……

「証拠があるから」と言うと、

「何の?」

「卓人がメッセージを開いたまま寝てたから、私は今日の事を知るハメになったんだから!」と言うと、

「いや、だから何もないよ! 話してただけだよ」

と平気で嘘を吐く。

「滑り台のある部屋なんでしょう?」と言うと顔色が変わった。

──最低だ!

「ラブホから腕を組んで出て来て、話してただけだなんて通りませんよ」と久慈さん。

「え? こちらは?」と久慈さんのことを聞いた。

すると、美緒が、

「ウチの社長よ、私が紹介したの〜」と悪びれることなく言った。

「初めまして、鷺野さぎのの会社の代表をしております。久慈と申します」とおっしゃると、

「え? どうして··の会社の社長さんが……まさか菜月と付き合ってるんですか?」と言った。

··と呼び捨てにした卓人

私は、それだけで気分が悪くなった。

しかも、久慈さんが私と付き合ってるとか、言い逃れしようとしている。

「は? んなわけないでしょう! 貴方と一緒にしないでくださいよ、中嶋さん! 婚約者が居るのに……」とおっしゃると、

「だから、誤解だってば、な! 菜月」と、私に触れようとするので、思わずその手をはたいて、

「触らないで!」と叫んでいた。

「え? なんでだよ! 帰ろう」と言うので、

「辞めて!」と久慈さんの後ろに隠れた。

すると、美緒が、

「イヤだって言ってんだから、もういいじゃん!」と言うと、卓人は、

「イヤ、良くないよ! 俺は菜月と結婚するんだから」と言った。

すると、美緒が、

「は? 私は? 私の事が1番好きだって、いつも言ってるじゃない!」と言った。

「いや、お前も遊びだろ? 結婚するまでって言ってたじゃんか」

「は? 私と結婚するんじゃなかったの?」

「イヤ遊びだよ!」

──気持ち悪い! どうでもいい!

「美緒! いつから? どうして卓人だったの?」と卓人に聞いても埒が開かないので、証拠として録画する為に、美緒の口から言わせたかったのだ。

「紹介してもらった半年前からよ!」

「どうして?」

「私は、貴女に彼氏が出来るのが許せなかったのよ! ましてや結婚なんて」と言った。

「え?」

「友達だと思われてたみたいだけど、私は違う! 貴女を横に居させれば私が引き立つと思ったからよ。なのに、なぜか男は皆んな貴女の方を向く。それが許せなかった。ずっと嫌いだったのよ!」

と言われた。

──酷い!

ショックだったが、真実が分かり、もう美緒も要らないと思っていた。

「そんなのただの妬みだろうが」と久慈さんが言ってくださった。

「そうよ! 私はずっと貴女を妬んでたのよ。だから大学時代の彼氏も寝とって捨てた」と言った。

──やっぱりそうだったんだ

最低……

「ホントにクズだな、お前!」と、おっしゃる久慈さん。

「なんだよ、それ! じゃあ俺も菜月の婚約者だから狙ったのかよ?」と美緒に聞いている卓人。

「そうよ! じゃなきゃ貴方なんて全然タイプじゃないもん」と平気で言う最低な女。

「もういい! じゃあ、どうして久慈さんを紹介してくれたの?」と私は、最後に聞いていた。

「社長さあ、いちいち細かい事で口煩くて、何か言ったら、『そういう女は最悪だ! 許せない!』って、過去に何があったか知らないけど、いつもその性格が貴女とピッタリだ! と思ったからよ! 似た者同士仲良くしたら……ハハッ」と笑われた。

「話にならない! もう良いですか?」と私に確認してくださる久慈さん。

「はい……」

「全て動画に残させていただきました! 後日なんらかの連絡が行くと思いますので」と2人に久慈さんがおっしゃると、

「え? どういうことですか?」と聞く卓人。

卓人には、

「婚約不履行で訴える!」と言うと、

「え? 何だよそれ! ちょっと待ってくれよ」と言ったが、

美緒にも「慰謝料を請求するから!」と言った。

「は? なんでよ!」と言っている。

卓人は、

「菜月! そもそもお前が、残業残業って最近俺の相手してくれなかったからだろう!」と言った。

責任転嫁、人のせいにした。

「そうよ、貴女が相手しないから私が代わりに相手してあげただけじゃない!」と言った美緒。

「責任転嫁ですか? ホントにクズ同士だな」

と、久慈さんがおっしゃった。

もう未練などない! かける言葉もない!

最低な2人だ。

美緒が1番悪いが、罠にかかった卓人も悪い!

婚約者の私が居たのに……いくらでも断れたはずだもの。

半年間、良い思いをしたんだから、自分のしたことの重さを分かってもらわなきゃ。

罪を償ってもらう。

「貴方たちのしたことは、婚約不履行に当たります! きちんと弁護士を通して、慰謝料並びに損害賠償を請求される案件ですので」と久慈さんがおっしゃると、

「え、え? 菜月! どういうこと? 俺たち来月結婚するんだよな?」と、この期に及んで、まだそんなことを言っている卓人に情けなかった。

──どうして、こんな風になっちゃったの?

「するわけないでしょう! 親にも会社にも言うから!」と言うと、

「いや、待ってくれよ」と、また手に触れようとするので、

「辞めてよ! もう終わりよ!」と離れて歩き出した。

「往生際が悪いですよ! 自分がした事でしょう?」と久慈さんに制止されている卓人。

そして、

「菜月〜!」と叫んでいるが、私は振り返ることなく卓人と美緒から離れた。

1分1秒でも早く離れたかった。もう2度と顔も見たくない! 気持ち悪さが襲って来た。

「どうぞお2人で、仲良く!」と、久慈さんが言うと、美緒が、

「行こう!」と言ってるのが聞こえたが、

「お前のせいだよ!」

「はあ〜? なんでよ!」

と、喧嘩していたようだ。

「はあ〜終わった……」と卓人から最後に聞こえた声。

──ざまあみろ! 絶対に許さない!

久慈さんも、私の後を追いかけて来てくださった。

「大丈夫ですか?」

「はい……」と、言ったようだが、

その後、曲がり角を曲がった所で、私は余りのショックで倒れ込んでしまったようだ。

緊張の糸が切れたのだろう。

「大丈夫です、大丈夫……」と言いながら、目を閉じたようだ。

「堀田さん! 堀田さ……ん……」

久慈さんの声が遠ざかる。

目が覚めると、そこは、知らない部屋だった。

「え?」

「あっ、気がつきましたか?」と、久慈さん。

「あ、ごめんなさい。私……」

「疲れたのでしょうね、倒れられたので病院へ運ぼうかとも思ったのですが、寝息が聞こえたので、さぞかし寝不足だったのだろうと……」

「え? お恥ずかしい」

貧血で倒れたのかと思ったが、寝不足が限界で気絶するように眠ってしまったようだ。

──そんなことある? 恥ずかしい……

「あ、いえ、ウチのそばだったので、差し出がましいとは思ったのですが」と、おっしゃった。

久慈さんのマンションへ運んでくださったようだ。

「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と言うと、

「良かった。このまま目を覚まさなかったら、どうしようかと私も気が気じゃなかったから」と……

──そうだったんだ。何してんだ私……

「勝手に連れて帰って来てしまって、もしも何かあったらと……」

「この数日眠れなかったので」と言うと、

「でしょうね。スヤスヤと眠られていたようだったので、大丈夫かなと思って……」とおっしゃった。

「そうですか……本当に申し訳ありません」

「いえ、無事で良かった」

「ありがとうございました」と、立とうとしたが、まだフラフラしている。

「もう少し休んでいてください」と、手を添えられていた。

「いえ、ご迷惑をおかけしますので」と周りを見渡しながら、ご家族がいらっしゃらないかと探したが、

「大丈夫ですよ。1人暮らしですし」と、おっしゃった。

──1人暮らし? なら余計ダメじゃない!

今この部屋には、2人きり!

「あっ、やっぱり私……」と、大きなソファーで、掛けてくださっていた高級そうな夏用ブランケットを畳もうとすると、

「荷物、どこのコインロッカーですか?」と聞かれた。

「え?」

「私が取って来ますよ。もし又あの男と出会でくわしたらいけないし。同じ会社ですよね?」

「あ、はい」

「急いで対処しましょう! とにかく今日は、もう会わない方が良い。その間ゆっくりしていてください。ご両親にもお話された方が良いかと思いますので」

──確かに、最寄り駅だから、卓人に会うかもしれない。

それに、両親にも話さなきゃ。今日話してから実家に帰ろうと思っていた。

「……ありがとうございます」

手を差し出された。

「ロッカーの鍵」とおっしゃっている。

「あっ」

私は、ポケットに入れていた鍵を手渡し駅を告げた。

「コレでも飲んで、ゆっくりしていてください」と、

ハーブティーを淹れてくださった。

──凄っ! 良く気が利く人だな

「ありがとうございます」

「じゃあ行って来ます! あっ、誰か来ても出なくて良いですからね」

「はい。よろしくお願いします」と言うと、出て行かれた。

「ああ〜何やってんだ私〜」

一口 ハーブティーをいただいた。

スーッと、カラダに染み込むようだ。

穏やかな気持ちに包まれる。

今朝からのことを思い出し、悔しかったが、

自分もどこかで分かっていたのか、

『やっぱりそうだったんだ』と言う気持ちの方が強かったので、実際に2人で居る所を目の当たりにして、卓人と別れる決心もついたし、美緒の本心を知り、関係を切る覚悟が出来た。

──コレで良かったんだ!

せっかくの久慈さんのお気遣いだし、私は、

「ハア〜〜」と大きな溜め息を1つ吐いてから、

母に電話をかけた。

もちろん母は、驚き、怒り、嘆いていた。

隣りに居た父にも時折伝えているようで、

途中で父が母から電話を奪って代わった。

「どういうことだ?!」と、卓人に対する怒り、そして、美緒に対する怒りを露わにした。

美緒は大学時代、何度かウチにも遊びに来ていたのだから、両親もよく知っている。

怒って当然だと思った。

そして、「すぐに帰って来なさい! 今何処にいる? 迎えに行こうか?」と言われたが、

今、お世話になっている方が、用意していた荷物を駅のコインロッカーに取りに行ってくださっている旨を伝えると、

「分かった! きちんとお礼をしなくてはな」と言っていた。

最初は、「その人は誰だ? 大丈夫なのか?」と聞かれた。

それも当然だと思った。

私も美緒からの紹介なので、怪しい人なのかもと疑っていた。

でも、本当にきちんとした考えの方だと思った。

過去の話まで私にしてくださったし、美緒の言う口煩い所は、私も同じなのかもしれないとさえ、思ってしまった。

「また、連絡するね」と言って電話を切った。

──今後のことを考えなきゃな

2人で選んだマンション、2人で買った家具や家電。色々な事が思い出された。

1つ1つ私にとっては、大切な思い出だったのに……

全て半年前から汚されていたのだと思うと、悔しい。

もう、そんな家具も家電も要らない。

全部、···にくれてやる!

あ〜結婚式、9月14日大安だったのに……

もう1ヶ月前を切ったから、皆んなにも連絡しなおさなきゃな……

当然、挙式披露宴もキャンセル。キャンセル料の請求先は、···にしておかなきゃ

もう逃げられないように全て整えておかないと……

あ〜新婚旅行もだ!

やっと休みが取れるからって、お盆休み返上で働いて、わざわざ秋休みに新婚旅行を充てたのに……

行きたかった沖縄旅行。

違う人と行くか……

あんな奴と行かなくて良かったよ。

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